こんにちは。きっちゃんの終活ノート、運営者の「きっちゃん」です。
定年を目前に控え、郷里に住む80代の両親のこれからのことや、自分自身の人生のエンディングについて考える機会が増えてきました。
そんな中で、お墓の継承者を必要としない新しい供養の形として、自然に還る樹木葬に関心を持つ方が同世代でもとても増えています。
しかし、お墓の形が変わるときに多くの方が直面するのが、樹木葬で位牌はどうするのかという切実な問題です。
代々受け継いできたお墓を墓じまいして自然志向の埋葬を選ぶ場合、これまで自宅でお祀りしてきた仏壇の中にある先祖の位牌や、これから自分たちが亡くなったあとに必要となる位牌の処分について、どうすればよいのか迷ってしまいますよね。
実は私自身も最近になって実家が浄土真宗であることが分かり、位牌を手放す場合の魂抜きの手順や費用のこと、浄土真宗での特別な教え、そして戒名をつけるべきなのかといった疑問に直面し、深く考えさせられました。
この記事では、樹木葬を検討している皆様が抱える位牌に関する疑問や不安を解消できるよう、私が終活アドバイザーとして学んできたことや、自身の経験を交えながら分かりやすくお話ししていきます。
親の終活やご自身のこれからの準備を進める中で、この記事がご家族にとって最適な選択肢を見つけるための道しるべとなれば幸いです。
- 樹木葬を選んだ際の位牌の必要性と様々な取り扱い方法
- 仏壇や位牌を適切に処分するための手順と正しい順番
- 魂抜きやお布施などにかかる費用の目安と注意点
- 宗派による違いや戒名をつけない場合のメリットとデメリット
樹木葬で位牌はどうするべきか悩む方へ

樹木葬を選んだときに、これまで自宅にあった位牌や、新しく作る位牌をどう扱えばいいのか、本当に悩みますよね。
まずは、位牌の本来の役割や、ライフスタイルに合わせた様々な選択肢について一緒に見ていきましょう。
樹木葬における位牌の必要性と役割
少子高齢化や核家族化が進む現代(出典:内閣府『高齢社会白書』)において、日本の伝統的な「家」を単位としたお墓の継承はとても難しくなってきています。
私自身、実家の両親と離れて暮らし、兄とも疎遠になっているため、先祖代々のお墓をこれからどう守っていくべきか、頭を悩ませている一人です。
(次男という立場でのお墓の悩みについては、次男はお墓をどうするべきか解説した記事も参考にしてください。)
そんな時代背景の中で、跡継ぎを必要とせず自然に還ることをコンセプトとした「樹木葬」は、多くの方にとって希望の光となっています。
樹木葬は、従来の墓石の代わりに樹木や草花をシンボルとし、宗教や宗旨宗派を問わない自由な埋葬方法です。
しかし、遺骨の納め先が自然志向へと変化する一方で、「これまで自宅で祀ってきた位牌はどうなるのか」「新しく位牌を作る必要はあるのか」という葛藤が生まれます。
位牌の作成と保持は「任意」
結論から言うと、樹木葬において位牌の作成や保持は完全に任意です。
樹木葬の多くは宗教不問を謳っているため、仏教の教義に必ずしも縛られる必要はありません。
残されたご遺族の精神的な希望や、ご家庭の事情に合わせて自由に選択してよいのです。
位牌の本来の役割とは
日本において位牌は、古くから故人の霊を祀る「依り代(よりしろ)」として深く根付いています。
物理的なお墓という拠り所が樹木に変わるからこそ、手を合わせる対象としての位牌の存在意義は、むしろ大きくなる場合もあります。
白木位牌から本位牌への変遷
たとえ「将来的に位牌は持たない」と決断した場合でも、葬儀の直後から四十九日法要までの期間は、祭壇に「白木位牌(しらきいはい)」という仮の位牌が安置されることが一般的です。
これは葬儀社が用意してくれるものであり、仏式の葬儀を行う上では自然な流れとなります。
通常であれば、四十九日の忌明けに漆塗りの「本位牌」へと作り替えられますが、樹木葬を選び位牌を持たないと決めた場合は、ここで本位牌を作成せず、役割を終えた白木位牌をお寺などに返納し、お焚き上げ処分を依頼するという形をとります。
位牌がないと少し寂しい気もしますが、故人を心の中で想う気持ちがあれば、形にこだわる必要はないのですね。
自宅で手元供養として位牌を残す方法
お墓を樹木葬や永代供養に移行したからといって、直ちに位牌を手放さなければならないという決まりはありません。
むしろ、自宅に位牌を残して日常的に手を合わせることは、ご遺族にとって最も自然で、心理的な負担の少ない方法です。
現代の住環境に合わせた「祈りの空間」
昔ながらの大きなお仏壇を維持するのは、マンション住まいやライフスタイルの変化によって難しくなっています。
私も自分の家のリビングに大きな仏壇を置くのは少し抵抗があります。
しかし最近では、居住空間の洋風化や縮小に合わせて、場所を取らないモダンな小型仏壇や、リビングのインテリアに調和する祈り壇(手元供養スペース)が数多く登場しています。
これらに買い替えて位牌を祀り続けるケースがとても増えているんです。
日々の供養がもたらす心の平穏
朝起きたときや、嬉しいことがあったとき、位牌に向かってそっと手を合わせる。
そんなささやかな時間が、残された家族のグリーフケア(悲嘆のケア)として大きな役割を果たします。
亡くなった方を身近に感じられることは、何にも代えがたい安心感に繋がります。
将来の処分についても話し合っておく

位牌を自宅に残す場合、初期費用は仏壇の買い替え程度で済みますが、将来自分たちが位牌を管理できなくなったときにどうするかを考えておく必要があります。
次世代への負担を避けるためにも、エンディングノートなどを活用して、最終的な処分方法(お焚き上げなど)について家族と共有しておくことが大切です。
私も両親と一緒にエンディングノートを書きながら、「仏壇はどうしたい?」と少しずつ聞き取りをしています。
親の希望を尊重しつつ、子ども世代の負担になりすぎない落としどころを見つけるのが、終活の第一歩だと感じています。
お寺や霊園に位牌の永代供養を依頼する
お子さんがいらっしゃらないご夫婦や、子どもが遠方に住んでいて日々の供養が難しい場合、位牌をずっと自宅で管理するのは現実的ではないかもしれません。
そういったときに心強い味方となるのが、お寺や霊園による「位牌の永代供養」という選択肢です。
永代供養という安心の仕組み
位牌の永代供養とは、ご家族に代わって寺院や霊園が位牌を管理し、永代にわたって供養をしてくれる制度のことです。
遺骨の永代供養と同じように、寺院内の位牌堂などに安置され、僧侶による定期的な読経が行われます。
自分が亡くなった後や、管理できなくなった後でも、「無縁仏になってしまうのでは」という心配を払拭できるのは、とても大きなメリットですよね。
永遠に個別で安置されるわけではないことに注意
ここで一つ、覚えておかなければならない重要なポイントがあります。
それは、「永代供養=永遠に個別の位牌として安置される」わけではないということです。
多くの寺院や霊園では、十七回忌や三十三回忌といった「弔い上げ(とむらいあげ)」と呼ばれる節目の年を迎えた段階で、個別の位牌としての安置を終了します。
その後は、他の方の位牌と合祀(ごうし)されるか、お焚き上げによって処分されることが一般的です。
| 確認事項 | チェックポイント |
|---|---|
| 個別安置の期間 | 何回忌まで個別に安置してもらえるか(三十三回忌など) |
| 期間終了後の処遇 | 合祀されるのか、お焚き上げされるのか |
| 費用の内訳 | 年間管理費などはかかるか、一括払いか |
契約を結ぶ前に、必ず寺院や霊園としっかりとコミュニケーションを取り、個別安置の期間や最終的な処遇について明確に確認しておくことが大切です。
後になって「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、ご自身の目でしっかり確かめてくださいね。
閉眼供養とお焚き上げで位牌を処分する
墓じまいをして樹木葬へ移行するタイミングで、どうしても位牌を手元に残すことができず、完全に手放す決断をされるご家庭もあります。
しかし、先祖の魂が宿るとされてきた位牌を、そのままゴミとして廃棄することは、宗教的にも遺族の心情的にも決して許容できるものではありませんよね。
魂を抜く「閉眼供養」の重要性
位牌を正しく手放すためには、最も伝統的かつ丁寧な処分方法をとる必要があります。
それが「閉眼供養(へいがんくよう)」です。地域や宗派によっては「魂抜き(たましいぬき)」「お性根抜き(おしょうねぬき)」とも呼ばれます。
この儀式は、僧侶に読経を依頼し、位牌に宿っている故人の魂を抜いて、単なる「木の札」に戻すという極めて重要なプロセスです。
ただの物に戻すことで、初めて処分が可能になります。
浄火によって天へ還す「お焚き上げ」
魂を抜かれた位牌は、その後、寺院や専門業者によって「お焚き上げ」という儀式で処分されます。
お焚き上げとは、浄火(清らかな火)によって位牌を燃やし、天上へ還すという意味を持つ神聖な儀式です。
古い先祖の位牌がたくさんあって仏壇に入りきらないといった場合は、三十三回忌を過ぎた古い位牌をまとめてお焚き上げし、一つの「先祖代々之霊位」という位牌に作り替えたり、過去帳(かこちょう)に記録を移して物理的な位牌の数を減らすという整理もよく行われます。
決断を急がない「一時預かりサービス」
墓じまいの準備を進めているけれど、親族間でまだ位牌の処遇について意見がまとまらない。
そんな時は、菩提寺や霊園の位牌堂で月単位や年単位で安全に預かってもらえる「一時預かりサービス」を活用するのも一つの手です。
焦らず、みんなが納得のいく結論を出すための時間的な猶予を作ることも、大切な終活の知恵ですね。
浄土真宗での過去帳と位牌の取り扱い

日本の仏教宗派の中で最大規模を誇る浄土真宗(本願寺派、大谷派など)の家系にお生まれの方が樹木葬を検討する場合、位牌に関する前提知識が他の宗派とは根底から異なることに注意が必要です。
実は先日、私自身も実家の宗派の調べ方をまとめた記事を参考に実家について調べてみたところ、なんと浄土真宗であることが分かりました!
私自身、この教えの違いを知って本当に驚いた一人です。
「往生即成仏」の教えと位牌が不要な理由
浄土真宗における最も重要な結論は、「原則として位牌は不要であり、代わりに『過去帳』や『法名軸』を用いる」ということです。
浄土真宗の教義の根幹には、「阿弥陀如来の本願力(他力本願)により、人は亡くなると直ちに極楽浄土へ迎え入れられ仏となる」という「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」という教えがあります。
他の宗派では、亡くなった魂は四十九日の旅を経てから成仏するため、その間の仮の宿りや追善供養の対象として位牌を必要とします。
しかし、浄土真宗では死後すぐに成仏するため、魂が現世に留まることも、魂を位牌に込めるという概念自体が存在しないのです。
そのため、浄土真宗の伝統的なお仏壇には、位牌を置くための専用の段が設けられていません。
過去帳と法名軸の役割
位牌の代わりとして使われるのが、「過去帳(かこちょう)」や掛け軸の形式をとる「法名軸(ほうみょうじく)」です。
これらは、故人の法名(戒名にあたるもの)、俗名、没年月日、享年を記録するものであり、魂が宿る礼拝の対象ではなく、あくまで先祖代々の歴史を記した「記録簿」としての意味合いを持ちます。
浄土真宗での処分方法は「遷座法要」
浄土真宗には「魂抜き」という概念がないため、古い位牌や仏壇を処分する際は、代わりに「遷座法要(せんざほうよう)」と呼ばれる読経の儀式を行います。
その上で、物理的な処分を進めることになります。
近年では、故人を偲ぶ具体的なシンボルがどうしても欲しいというご遺族の切実な思いに寄り添い、浄土真宗のお寺でも特例として位牌の作成を認めてくれるケースが増えています。
とはいえ、本質的な教えとしては不要であるため、墓じまいをして樹木葬へ移る際は、古い位牌を整理し、過去帳へ記録を集約していくのがスムーズな流れとなります。
樹木葬で位牌はどうするか決めた後の手順
位牌を残すのか、処分するのか、あるいは永代供養にするのか。
ご家族で話し合って方向性が定まったら、次は具体的な行動に移す必要があります。
ここからは、仏壇の処分や魂抜きの費用、改葬手続きなど、実際に進める際の手順について詳しく解説していきます。
仏壇と位牌を処分する際の正しい順番
お墓を樹木葬に移す(墓じまいする)のと同時に、自宅の大きな仏壇も処分して、小さな手元供養に切り替えようと考える方は非常に多いです。
この「仏壇じまい」をするにあたって、何から手をつければいいのか迷ってしまいますよね。
実は、実務上および宗教的な配慮から、推奨される確固たる順番があるんです。
鉄則は「位牌が先、仏壇が後」
大前提として、仏壇そのものを処分する前に、その内部に安置されている「位牌の行き先」を完全に確定させ、位牌を移動または処分することが最優先となります。
考えてみれば当然のことですが、位牌の行き先(永代供養、お焚き上げ、あるいは新しい小さな仏壇への移動)が決まらなければ、仏壇の中を空っぽにすることはできませんよね。
ですから、まずは位牌の問題からクリアにしていきましょう。
効率的な閉眼供養の進め方
具体的な手順としては、以下のようになります。
- まず、位牌に対する閉眼供養(魂抜き)を行い、位牌を物理的な「物」に戻して寺院等へ引き渡す。
- その後、空になった仏壇本体に対しても、同様に閉眼供養を実施する。
実費や手間のことを考えると、僧侶を自宅に招いた際に、位牌と仏壇両方の閉眼供養を同じ日にまとめて依頼するのが一番効率的です。
こうすることで、お布施を一本化でき、遺族の負担も大きく軽減されます。
魂抜きを終えた仏壇の処分方法
魂抜きが終わった仏壇は、宗教的な意味を持たない単なる木工家具となります。
その後の処分方法には、主に以下の3つがあります。
| 処分方法 | 特徴と費用の目安 |
|---|---|
| 仏壇・仏具店へ依頼 | 新しい仏壇を買う際の下取りや引き取り。サイズによるが2万円〜5万円程度。 |
| 寺院でのお焚き上げ | 菩提寺で位牌と一緒に依頼。3万円〜5万円程度。大型仏壇は不可の場合も。 |
| 自治体の粗大ごみ回収 | 法律上は家具と同じ扱いで安価(数百円〜数千円)。ただし心理的抵抗感が強い。 |
自治体の粗大ごみとして出すのは経済的には助かりますが、「これまで先祖を祀ってきたものをゴミ捨て場に出す」という行為に心を痛める方も少なくありません。
ご近所の目も気になりますしね。ご自身の気持ちが一番すっきりする方法を選ぶのがよいと思います。
魂抜きやお布施にかかる費用の目安
「樹木葬のために位牌やお墓を手放すけれど、一体いくらくらいお金がかかるのだろう?」これは、終活のご相談を受けていても本当に多く寄せられる疑問です。
閉眼供養(魂抜き)は単なる形式ではなく、親族を集めて執り行う大切な法要の一つです。
ここでは、一般的な費用の目安についてお話しします。
閉眼供養にかかるお布施の相場
閉眼供養を依頼する先は、長年お付き合いのある菩提寺(ぼだいじ)が基本となります。
僧侶への感謝の気持ちとしてお渡しする「お布施」の相場は、一般的に3万円から10万円程度とされています。
ただし、お布施には明確な料金表があるわけではありません。
地域や宗派、お寺とのこれまでの関係性によって金額に幅があるため、事前に「お布施はどのくらいお包みすればよろしいでしょうか」と直接お寺に確認するのが一番確実でトラブルになりません。
お布施以外にも、以下のような費用が必要になる場合があります。
- 御車代(おくるまだい):
僧侶に自宅や墓地まで足を運んでもらうための交通費。5千円〜1万円程度。 - 御膳料(おぜんりょう):
僧侶が法要後の会食に同席されない場合の食事代。5千円〜1万円程度。
これらは、お布施とは別の封筒(不祝儀袋や白無地の封筒)に包んでお渡しするのがマナーです。
離檀料とお焚き上げ費用
菩提寺の檀家をやめて、まったく別の樹木葬へお骨を移す場合、これまで先祖代々のお墓を管理していただいた感謝の印として「離檀料(りだんりょう)」をお渡しする慣習があります。
離檀料の相場は5万円から20万円程度と言われていますが、墓じまいの計画段階で住職と丁寧にコミュニケーションを取ることが不可欠です。
突然「墓じまいします」と伝えるのではなく、「どうしても跡継ぎがいなくて…」と事情を相談する姿勢が大切ですね。
また、お焚き上げそのものにかかる費用は、位牌1柱につき5千円から1万円程度が相場です。
最近は環境への配慮から境内で物を燃やせないお寺も増えています。
そういった場合は、郵送で位牌を送ると提携寺院で供養とお焚き上げをしてくれる専門業者を利用するのも現実的な選択肢です(費用は1万円〜3万円程度)。
墓じまいから新しい樹木葬へ改葬する流れ
既存のお墓から遺骨を取り出し、新しい樹木葬へと移動させることを「改葬(かいそう)」と呼びます。
この改葬は、「法律に基づく行政手続き」と「宗教的・物理的な墓じまいの作業」が同時に進んでいく、数ヶ月がかりの大がかりなプロジェクトです。
具体的な進め方に不安がある方は、実家の墓じまいの手順について解説した記事もあわせてご覧ください。
位牌の整理も、この全体のスケジュールの中で並行して進めていく必要があります。
1. 家族・親族およびお寺との事前協議
改葬を進める上で一番多いトラブルは、親族間の意見の食い違いや、菩提寺への事後報告によるものです。
「そんな話聞いていない!」とならないよう、まずは親族間で樹木葬へ移ることと位牌の処分方針についてしっかり話し合い、同意を得ましょう。
その後、現在の墓地管理者(お寺の住職など)へ事情を丁寧に説明し、改葬の了承を得ます。
そして、遺骨がそこにあることを証明する「埋蔵証明書」の発行をお願いします。
2. 新しい樹木葬の契約と受入証明書の取得
次に、受け入れ先となる新しい樹木葬霊園を見学・選定し、契約を結びます。
契約が完了すると、霊園側から「受入証明書(または永代使用許可書)」が発行されます。
3. 自治体での「改葬許可証」の取得
日本の法律では、勝手にお骨を移動させることは禁止されています(出典:e-Gov法令検索『墓地、埋葬等に関する法律』)。
現在お墓がある市区町村の役場へ行き、「改葬許可申請書」に前述の「埋蔵証明書」と「受入証明書」を添えて提出します。
これが受理されると、お骨の移動を法的に認める「改葬許可証」が発行されます。
4. 既存墓の閉眼供養と解体撤去工事
お墓から遺骨を取り出す前に、僧侶に閉眼供養(魂抜き)をしてもらい、お墓を単なる石に戻します。
このお墓の魂抜きの日に、位牌や仏壇の魂抜きも一緒に依頼すると、何度も僧侶を呼ぶ手間が省けます。
その後、石材店に依頼して墓石を解体・撤去し、更地にして敷地をお寺に返還します。
5. 樹木葬での納骨と法要
きれいに取り出した遺骨を、新しい樹木葬霊園へ移します。
納骨の際には、役所でもらった「改葬許可証」を施設管理者に提出する義務があります。
納骨に合わせて開眼供養や納骨法要を執り行うことで、無事に改葬手続きが完了します。
樹木葬は永代供養がついていることが多いですが、ご遺族のグリーフケアとして、節目ごとに法要(追善供養)を行うことは極めて自然なことです。
ただし、自然志向の霊園では線香や火の使用が禁止されていたり、お供え物を持ち帰るルールがあったりするので、事前に利用規約を確認しておきましょう。
戒名をつけず俗名にするメリットと注意点
樹木葬と位牌の関係を考える上で、避けて通れないのが位牌に彫られる「戒名(かいみょう)」の存在です。
戒名とは、仏教において仏の弟子となった証として授けられる死後の名前のこと。
伝統的なお墓に入る場合は必須とされてきましたが、宗教不問の樹木葬では、生前の名前である「俗名(ぞくみょう)」のまま契約し、俗名の位牌を作ることも可能です。
戒名をつけるべきか、俗名のままにするべきか。それぞれの特徴を見ていきましょう。
俗名のまま(戒名をつけない)メリット
一番のメリットは、やはり遺族の経済的負担が大幅に軽減されることです。
戒名をつけてもらうための戒名料(お布施)は、宗派やランク(信士・信女、居士・大姉、院号など)によって数十万円、場合によっては百万円を超えることもあります。
これを削減できるのは非常に大きいです。
また、個人の生前のアイデンティティを尊重できるという精神的なメリットもあります。
宗教的な儀式に縛られず、慣れ親しんだ名前のまま自然に還るというのは、樹木葬本来の理念にとても合致しています。
お寺との煩雑な打ち合わせも省けるため、手続きもシンプルになります。
俗名のままにするデメリットと注意点
一方で、俗名のままにすることにはリスクも潜んでいます。
伝統的な価値観を持つご親族からは、
「戒名がないと成仏できない」
「ご先祖様に申し訳ない」
と強い反発を受ける可能性があります。
また、先祖代々お世話になっている菩提寺があるのに、勝手に俗名で葬儀や樹木葬を進めてしまうと、関係が大きく悪化し、最悪の場合は納骨や法要を拒否される事態にもなりかねません。
さらに、将来もし「やっぱり普通のお墓や、お寺の納骨堂にお骨を移したい」となった時、戒名がないことを理由に受け入れを断られてしまうリスクもあります。
将来の選択肢を狭めてしまう可能性があることは、十分に考慮しなければなりません。
「費用は抑えたいけれど、戒名のメリットも得たい」という場合は、生前に自分でお寺に足を運んで戒名を授かっておく「生前戒名」や、インターネットを利用した定額の戒名授与サービスを利用して費用を抑えるといった折衷案も広がっています。
自分らしい選択を家族とじっくり話し合ってみてください。
最終的な判断に迷う場合は、お寺や終活の専門家にご相談されることをおすすめします。
後悔しないために樹木葬の位牌はどうするか
ここまで、樹木葬における位牌の取り扱いや、処分に必要な手続き、費用の目安、そして宗派による違いなど、本当にたくさんのことをお話ししてきました。
情報量が多くて、少し疲れてしまったかもしれません。
「樹木葬 位牌はどうする」という疑問の裏には、単なる物としての処分の問題だけでなく、
「ご先祖様をないがしろにしてバチが当たらないか」
「親戚から非難されないか」
といった、目に見えない深い不安が隠れているのだと思います。
私自身も、実家が浄土真宗だと分かったことで、伝統を守ることと現代のライフスタイルに合わせることの狭間で改めて葛藤しています。
正解は一つではない。大切なのは対話

この記事を通じて皆様にお伝えしたかった結論は、「樹木葬において位牌をどうするかは、ご遺族の心に寄り添った自由な選択でよい」ということです。
心の拠り所として小さな祈り壇に位牌を残すのも素晴らしい選択ですし、次世代に負担をかけないために閉眼供養をしっかり行った上でお焚き上げをするのも、立派な供養の形です。
大切なのは、形そのものではなく、故人を想う感謝の気持ちです。
エンディングノートで未来の安心を

お墓や位牌の問題は、自分一人で抱え込まず、必ずご家族や関係するご親族と時間をかけて話し合ってください。
口頭で話すのが難しい場合は、エンディングノートを活用して、ご自身の思いや希望を書き留めておくことを強くおすすめします。
それが、残されるご家族への最大の思いやりとなります。
親の終活も、自分の終活も、一歩ずつ進めていけば大丈夫です。
迷ったときは、一人で悩まずに信頼できるお寺の住職や、私たちのような終活アドバイザー、法的な専門家などに相談してみてください。
これからの人生をより良く、そして自分らしく生きるための準備を、一緒に少しずつ進めていきましょう。
